自己肯定感が低いと悩む人へ|自分を責める手を止めるおすすめ本4冊

自己肯定感・メンタルケア

夜明け前、まだ夜の領域にとどまる街を歩くのが好きです。

ひんやりとした空気を吸い込むと、体の中が洗い流されるような気持ちになれるから。

その瞬間、自分のことを少しだけ好きになれるのです。

けれど、集団の中にいると、自分の物差しが通用しなくて、表情がこわばってしまいます。

もっと自然に振る舞うべきなのに……。
うまく立ち回れるはずなのに……。

そう考えるほど、自己肯定感は削られていきます。

早朝の街を歩いているときの、孤独で清々しい気持ちでいたいのに。

この記事では、自己肯定感を無理に高めるのではなく、自分を責める手を止めるための本を、棚から引き出してきました。

自分を責める手を止める、3つの処方箋

『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健|これは誰の課題?

「他人の機嫌を取る人生」をやめるために、自分と他人の境界線の引き方を教えてくれる自己啓発書です。
嫌われる勇気

嫌われる勇気
ダイヤモンド社
岸見一郎・古賀史健

🔖【処方箋】

何か問題が起きたとき、あるいは頼まれごとをされたとき、即答せずに心の中でこうつぶやいてください。

「これは誰の課題なのか?」

💭【なぜ効くのか】

「悪い、明日の朝一までにこの書類、仕上げて」などの先輩からの急な頼まれごと、デート中に急に不機嫌になる彼……。
対人関係では、自分ではどうしようもない出来事が降りかかってくることがあります。

でも、コントロールできない「相手の評価」を背負い込むと、心が折れます。

自分が選べる課題に意識を戻すことで、感情の消耗を減らしやすくなる。
そう教えてくれるのがこの本です。

📖【この本をおすすめする理由】

頼まれごとをされると断れない、親しい人が不機嫌になったら反射的に自分のせいかもと不安になる、そんな経験はありませんか。

私は送ったLINEが既読スルーされたとき、落ち込む癖があります。

アドラー心理学の対話篇である本書は、そんな不安の仕組みをわかりやすく解説しています。

その核心にあるのが「課題の分離」です。

例えば、忙しくて手が回らないとき、誰かに助けを求めるかどうかは、頼む側の選択です。
一方、その頼みごとを引き受けるか、どこまで対応するかは、頼まれた側が決める課題です。。

自分の仕事で手一杯のときは、無理だと正直にいってもかまわないと思います。

でも、力関係などで言えないこともありますよね。
しかも、無理してお手伝いした結果、周囲からの評価が低かったら、さらに落ち込んでしまいます。

そんなときに「自分の課題」と「他人の課題」を線引きしておくと、気持ちが楽だよと教えてくれるのがこの本です。

頼みごとをすることや、その結果をどう評価するかは、相手の課題です。
その評価まで背負わず、自分が選べる範囲に意識を戻すことが、課題を分ける第一歩になります。

言いなりになるにせよ断るにせよ、相手の気持ちに引きずられると、心の負担が大きくなります

他人との境界線を引くことで、自分を責める場面を減らせるのではないでしょうか。

『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』中島輝|脳より先に体を動かす

ありのままの自分を「これでいい」と受け入れるための、具体的かつ実践的な技法を紹介している本です。
自己肯定感の教科書

自己肯定感の教科書
SBクリエイティブ
中島 輝

🔖【処方箋】

落ち込んだ瞬間に、考えるのをやめて体を動かします。

  • 両こぶしを突き上げて体を伸ばす
  • 自分で自分を抱きしめる
  • 鏡の中の自分に「大丈夫」と声をかける

どれか一つ、10秒でいいのです。

💭【なぜ効くのか】

本書では、考え込み続ける前に、体を動かして気分を切り替える方法が紹介されています。
思考だけでは気持ちを変えにくいとき、動作を一つのきっかけにするという考え方です。

📖【この本をおすすめする理由】

思考のクセを変えるのは、なかなか難しいと思いませんか。
頭では「気にしなくていい」とわかっていても、心はすぐに追いつきません。

そんなとき、この本が教えてくれるのは、体から心に働きかける方法です。

「こんなことで?」と思うような小さなアクションが、気分を切り替えるきっかけになり、「何とかなるかも」という感覚を取り戻してくれます。

大きく変わろうとしなくていいので、気楽に試せます。

まずは、今この瞬間の落ち込みから少しだけ距離を取る。

そのためのお守りとして、持っておきたい一冊です。

『心療内科医が教える本当の休み方』鈴木裕介|休む技術を身につける

休んでいるはずなのに疲れが取れない人へ向けて、自分に合った休み方のテクニックを教えてくれる本です。
心療内科医が教える本当の休み方

心療内科医が教える本当の休み方
アスコム
鈴木裕介

🔖【処方箋】

動けない自分を責める前に、いまの自分のモードに名前をつけてみてください。

  • ピリピリして気が休まらない状態(炎のモード)
  • 何もする気が起きない状態(氷のモード)

名前をつけるだけで、責める対象が「自分」から「状態」に変わります。

💭【なぜ効くのか】

思うように動けないのは、サボりではなく、心と体の防衛反応かもしれません。

「自分のせいではない」と知ることが、責める手を止める手がかりの一つになります。

📖【この本をおすすめする理由】

「ちゃんと寝たのに、疲れが取れない」。
そういうとき、私たちは休めない自分まで責めてしまいがちです。

心療内科医で公認心理師でもある著者は、休むことを「技術」ととらえています。

本書では、ポリヴェーガル理論をもとに、ストレス反応を「炎」と「氷」、安心している状態を「リラックス」と捉えます。
いま自分がどの状態にいるかによって、合う休み方は異なると説明しています。

本書は、思うように動けない状態を「弱さ」ではなく、ストレスに対する神経学的な防衛反応として捉えます。
この考え方は、自分を責める思考の癖に気づかせてくれます。

また著者は、他人の期待に応えすぎて心身がうまく機能しなくなったときは、その役割からいったん離れることを勧めています。

✍ 私の場合……

仕事が終わり、夕食を食べたあと、ついダラダラしてしまいます。
YouTubeを見たり、ゲームをしたり。
気がついたら、もう深夜。
あれ、今夜は小説を読もうと思っていなかったっけ……。
無理、疲れちゃって。
ああ、またダラダラしてしまった。
そうやって自己嫌悪になり、ますます自己肯定感が下がる。

これは、私のほぼ毎晩のルーティンです。

ちゃんと休んでいるはずなのに、疲れが取れない。
それなのに、「時間を無駄にした」と自分を責めてしまう。

動けないのは、心の弱さではありません。
いまの自分に必要な休み方を知らないだけかもしれないのです。

社会人、恋人、妻、母など、人はさまざまな役割を持っています。
でも、疲れたらそんなアバターを脱ぎ捨てましょう。
そして、ゆっくり伸びをしてぐっすり眠りましょう。
それもまた、自分を責める手を止めるための大切な処方箋ではないでしょうか。

実用書では物足りないあなたへ

『贅沢貧乏』森茉莉|世間の基準から降りる

実用書のメソッドを試しても、「やっぱり自分には価値がない」と感じてしまう夜もあります。

そんなときは一度、「正解」や「効率」の世界から離れてみませんか。

贅沢貧乏

贅沢貧乏
講談社文芸文庫
森茉莉

文豪・森鷗外の娘でありながら、晩年をアパートの一室で過ごした森茉莉。

お金はなく、着るものは古びていく。
しかし、彼女は自分を一切憐れみません。

むしろ、誰よりも贅沢に生きています。
色調のグラデーションにこだわってタオルを干し、お気に入りの紅茶を淹れ、わずかなチョコレートをかじりながら、その空間を宝石箱に変えてしまいました。

客観的に見れば、彼女の部屋はみすぼらしく、生活は「没落」そのものかもしれません。

でも、他人の目は関係ありません。

森茉莉の美学の根底にあるのは、「他人との比較」からの解放です。

世間一般で言われる「贅沢」はお金がかかるものですが、彼女にとっての贅沢とは「金額の多寡」ではないのです。

「人がどう思うか」ではなく、「自分がどう感じるか」。
それだけが基準でした。

世間の物差しから外れていても、人生は十分に贅沢でありうる。
森茉莉はそれを、文章そのもので証明してみせます。

本を読んでも、苦しさが続くときは

夜、なかなか眠れない。
朝、起きるのが憂鬱。

そんな状態が続いているなら、誰かに話を聞いてもらうという選択肢もあります。

先ほど紹介した『本当の休み方』にもあるように、動けないのは心と体が疲れを知らせているサインかもしれません。

今すぐ気持ちを吐き出したいときは、気軽に話せる相談へ。

同じ苦しさが何度も戻ってくるときは、じっくり向き合うカウンセリングへ。

当サイトでは、この2つの相談先をまとめています。
本だけでは抱えきれないときの相談先はこちら

どちらが自分に合うか迷う場合は、2つのサービスを比較したページも用意しています
オンラインカウンセリング比較|本だけでは抱えきれない夜の相談先

つらさが強い場合や、日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科などの医療機関に相談することも考えてみてください。

まとめ

自己肯定感は、いつも高く保っていなければいけないものではありません。

低い夜があってもいいと思います。

ただ、その苦しさに完全に飲み込まれないための「処方箋」を、いくつか知っていると安心です。

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