「人生このままでいいのか」と悩んだときに読む本3選+小説1選|“正解”を探すのをやめたら楽になった

人生を変えたい

毎日、同じ時間に起きて、同じ電車に乗り、同じような仕事をして、家に帰る。 生活に困っているわけじゃない。職場にそこまで大きな不満があるわけでもない。

でも、ふとした瞬間に頭をよぎるのです。 「私の人生、このままでいいのかな?」と。

転職サイトを開いては、「これだ」と思える仕事がなくてそっと閉じる。 資格の資料請求だけして、結局封筒を開けていない。 SNSを見れば、結婚したり、独立したり、海外に行ったりして、人生の駒を前に進めている友人たちが眩しく見える。

自分だけが、何もない場所で足踏みをしているような焦り。

もしあなたが今、そんな気持ちを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。 ここで紹介するのは、「すぐに変われる魔法の方法」が書かれたものではありません。 「“変えなきゃ”という焦りの正体を知り、考え方のフレーム(枠組み)自体を変えてくれる本」です。

実用書3冊と小説1冊。 誰かの正解をなぞるのではなく、あなた自身の足で立つための「考える道具」を手渡したいと思います。


「人生このままでいいのか」の正体 ──それは“問い”ではなく“焦り”かもしれない

私たちは「やりたいことが見つからない」「このままでいいのか」と悩みます。 でも、その悩みの正体について深く考えたことはあるでしょうか?

多くの人が求めているのは、実は「自分のやりたいこと」そのものではなく、「みんなが持っていそうな“正解”を、自分も早く持たなければ」という安心感なのかもしれません。

「30代ならこれくらいは」「普通の幸せとは」 SNSや世間の常識が作り出した「あるべき姿」と今の自分を比べて、そのギャップに焦っているだけではないでしょうか。

「やりたいことが見つからない」のは、あなたの能力や情熱が足りないからではありません。 そもそも「やりたいことを見つけなければならない」「何者かにならなければならない」という前提自体を、一度疑ってみる必要があります。

ここで紹介する本は、あなたに「答え」をくれるわけではありません。 その代わり、「焦り」に追い立てられるだけの苦しい問い方を、「自分の頭で考える」ための建設的な問い方に変えてくれます。


「考え方のフレーム」を変えてくれるおすすめ実用書3選

まずは、「変わるとはどういうことか」「自分らしさとは何か」を根本から見つめ直すための実用書を紹介します。

1. 『勉強の哲学 来たるべきバカのために』千葉雅也

「人生を変えたい」と思ったとき、私たちはつい「転職」や「資格取得」といった具体的な行動(スキルアップ)に目を向けがちです。 しかし、哲学者・千葉雅也氏のこの本は、もっと根源的な「変身」について教えてくれます。

著者はこう言います。私たちが普段生きている環境には、特有の「ノリ」があると。 会社には会社のノリ、地元の友達には地元のノリ、家族には家族のノリがあります。私たちは無意識にその「ノリ」に合わせて言葉を選び、振る舞い、安心感を得ています。

「勉強する(=深く考える)」とは、その「環境のノリ」から意図的に浮くことです。

「変わりたいのに変われない」と悩むのは、意志が弱いからではありません。 今の環境の「ノリ」に、あなたが深く同調(癒着)してしまっているからです。

この本を読むと、「変わる」ことへの認識がガラリと変わります。 新しい自分になるということは、これまでの仲間や環境から「あいつ、なんか変なこと言い出したな」と浮いてしまうこと。つまり「ノリが悪くなること」を引き受ける覚悟のことなのです。

「このままでいいのか」と悩むあなたは、今の環境のノリに違和感を抱き始めているのかもしれません。それは、あなたが「変身」するための最初の切符を手にした証拠です。

2. 『センスの哲学』千葉雅也

1冊目に続き、同じく千葉雅也氏の著書です。 こちらは「自分らしさがわからない」「やりたいことがわからない」という人にこそ読んでほしい一冊です。

私たちは「センス」や「自分らしさ」を、天から降ってくる才能や、キラキラした特別なものだと思いがちです。 しかし著者は、センスとは「リズム」であり、「意味の以前にある、身体的な好みの偏り」であると説きます。

例えば、 「なんとなくこの音楽が好き」 「つい、こういう服を選んでしまう」 「この言葉の響きが気になる」

そんな、理由なんて説明できない小さな「偏り(かたより)」の集積こそが、あなたのセンスであり、あなた自身なのです。

「人生の正解」や「大きな夢」を探そうとするから、何も見つからないのかもしれません。 もっと足元にある、日々の小さな選択。「なんとなくこっちがいい」という感覚。 その「小さな偏り」を無視せず、丁寧に拾い集めていくこと。それが結果として、あなただけの人生(=作品)を作っていきます。

3. 『冒険に出よう』安藤美冬

哲学書で頭のコリをほぐした後は、実際に一歩を踏み出すための本を。 著者の安藤美冬氏は、かつて出版社で激務をこなしながら「このままでいいのか」と悩み抜き、組織を離れてフリーランスという未知の道を選んだ人物です。

タイトルにある「冒険」と聞くと、会社を辞めて世界一周するような大事を想像するかもしれません。 でも、この本が提案する「冒険」はもっと身近です。

  • いつもは入らない路地裏の店に入ってみる
  • 今まで読んだことのないジャンルの本を買ってみる
  • 気になっていたことを、誰かに話してみる

そんな「いつもと違う小さなこと」を一つやってみること。それが冒険の始まりです。

千葉雅也氏の言葉を借りれば、これは「今のノリを少しだけズラしてみる」実験です。 その小さなズレの積み重ねが、いつの間にかあなたを「想像もしなかった遠い場所」へと連れて行ってくれるに違いありません。

実用書だけでは届かない場所へ ──「このままでいいのか」と問い続ける小説

最後に、一冊の小説を紹介します。 これは、私たちが無意識に信じている「普通」という概念を、根底から揺さぶる物語です。

4. 『コンビニ人間』村田沙耶香

主人公の古倉恵子は、36歳、未婚、コンビニアルバイト歴18年。 彼氏なし。正社員経験なし。 世間一般の基準(=普通のノリ)から見れば、彼女は「心配されるべき存在」かもしれません。

しかし、恵子自身は、コンビニという世界の完璧なマニュアルの中で「店員」として機能することに、深い安らぎと充足を感じています。 彼女は「変わりたい」なんて思っていません。 彼女を「変えなきゃ」「普通にしなきゃ」と必死になっているのは、家族や友人など「まわりの人たち」なのです。

「いい歳をしてバイトなんて」「早く結婚しないと」 周囲の人々は善意の顔をして、容赦なく彼女の聖域に土足で踏み込んできます。

この小説を読むと、ある問いが突き刺さります。 あなたが今感じている「このままでいいのか」という不安は、本当にあなた自身の心から湧き出たものでしょうか? それとも、世間の「普通」という強烈な同調圧力が、あなたにそう思わせているだけではないでしょうか?

主人公の生き方は極端かもしれません。でも、誰にも理解されなくても自分のスタイル(=偏り)を貫く姿は、ある種の清々しさを感じさせます。 「普通」の呪縛から自由になるために、ぜひ読んでほしい一冊です。

「正解」は、探すのをやめたときに見えてくる

「人生このままでいいのか」 その問いに、万人に共通する答えはありません。

でも、「どこかにあるはずの正解」を探すのをやめて、「自分の感覚(偏り)」を信じて動き出したとき、その不安は「自分だけの人生を作る楽しみ」に変わっていくのではないでしょうか。

まずは気になった一冊を手に取ってみてください。 ページをめくるその指先から、小さな「冒険」が始まることでしょう。ボン・ボヤージュ。


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